こんにちは。おじさんカジノディーラーです。
昨日、仕事終わりの朝、またまた同僚数人と呑みに行って、久しぶりに結構な量のお酒を呑みました。二軒目は昼過ぎにオシャレなBarに行って、オシャレなダイキリを呑みました。そこでみんなに「俺、将来、バーテンになるため、カクテル作りの勉強をする!」と宣言していたようです。まあ、覚えてないんですけど。。。私はいったい何を目指しているんでしょうか。
お昼過ぎまで吞んで(多分)、家に帰って寝て、起きたら夜になっており、仕事に行く時間です。若干、頭が痛いながらも会社に向かいました。
今日はバカラ辺りでまったりディーリングしたいなあ。と思っていましたが、配置されたテーブルは、一番ミニマムベットが低いルーレットです。「ああ、今日はハードになりそうや。。。まあ、頑張ろう。」
ミニマムベットが一番低いルーレットは、深夜でも、常時お客様がテーブルで遊んでらっしゃって、デッドゲーム(お客様が一人もいない状態。ディーラーにとっては待機時間)になることは、あまりないのです。しかも何やら明日つまり今日、シンガポールは、ハリ・ラヤ・ハジ(メッカ巡礼祭)という祝日のようで、結構お客様がいらっしゃいます。
そんなルーレットテーブルでディーリングをしていたのですが、日本人の男女2人組のお客様がやってきました。結構カジノに慣れてる感じでしたので、ちょっとハウスルールを説明するぐらいで、すぐにいい感じでルーレットを楽しんでらっしゃいました。私も日本語でその方達と話していたのですが、私が日本人ディーラーということに気付いた、日本人の男1女2の若い3人組の方が、話しかけてきました。
お客様3人組「私達、日本から来たんですけど、カジノ初めてなんです。」
私「そうですか。このルーレットテーブルならばミニマムベットも一番小さいですので、少ない資金で遊べますよ。よろしければ、遊び方とかお教えしましょうか?」
お客様3人組「嬉しい!是非よろしくお願いします。」
3人組のお客様は、先程から遊んでいらっしゃった日本のお客様の隣に座られました。どちらのお客様もご旅行で日本からシンガポールに来られたようです。座るやいなや、すぐに日本人のお客様同士で「日本のどっから来たんですか?」とか色々、話し出して、和気あいあいな感じになってました。私も簡単にルールを説明して、いざ3人組の現金をルーレットチップに交換するという時に、事件は起こりました。
男性と女性一人ずつのチップ交換は終わって、3人目の女性が現金を出して、チップを交換しようとしたとき、その女性が青ざめてこう言いました。
若い女性「パスポートと財布が入ったポーチがない。。。」
私および周りの人「え。。。」
若い女性「バッグの中に入れてたつもりやのにない。カジノのカード作った時に出したりしたけど。。。」
私は、太ったおっちゃんのスーパーバイザーを呼んで説明し、異変を感じたピットマネージャも来ました。女性にすぐにセキュリティに行きなさい。ということになって、女性は走ってセキュリティに行きました。ピットマネージャも何やら電話してます。
パスポートがなくなったら日本に帰れません。その女性にとっては、カジノどころではないです。私は心配で仕方がなくなりましたが、日本の方以外にもテーブルにはお客様がいて、スーパーバイザーは「お前はゲームを続けろ。」といいます。
私は次のゲームを続けることにしました。が、なんとなくテーブルはどんよりした感じになってました。みんなゲームをプレイしているのですが、心ここにあらずといった感じです。しばらくゲームを続けていると、女性が帰ってきました。
女性「セキュリティにも届いてない。今、探してくれてるみたいやけど」
女性は今にも泣きだしそうです。女性の友人達もゲームをやめて、女性と一緒に今まで立ち寄ったとこに、ポーチを探しに行くことにしました。
私「カジノ内はカメラだらけなんで、セキュリティがカメラでチェックしたら絶対見つかりますよ。落ち着いて下さい。」
という、気休めになるのかどうかわからない言葉で、女性たちを送り出しました。太ったおっちゃんのスーパーバイザーは、「彼女、日本に帰れないねえ。お前の家に泊めてあげたら?」みたいな笑えないジョークを言ってきます。「こいつ、しばいたろか」と本気でムカつきましたが、まあそんなことはどうでもいいです。ポーチが見つかることを願うばかりで、ゲームを続けることにしました。
休憩を挟んで1時間30分後、、、いきなり笑顔の女性とその友達の3人組が、テーブルにやってきました。
女性「お兄さん、ポーチ見つかりました~」
私「あ~。本当に良かったねえ。どこで見つかったの?」
女性「わからないですw 探してたらセキュリティの人が持ってきてくれました。」
おー、セキュリティGood Job!!
まだテーブルで遊んでいた日本人2人組も喜んでいます。
女性「ああ、ホンマ怖かった。もうカジノ来るの嫌や。私、日本にカジノ出来ても絶対行かない。」
私「www そんなこと言わないでください。」
その後、女性は私や周りの方々にお礼やお詫びを言って、笑顔で去っていきました。私なんも役に立ってないですがね。
とまあ、そんなこんなで、只の荷物の落とし物?置き忘れ?ですが、カジノで日本人旅行者に発生した事件は何とか良いエンディングを迎えました。結局、ポーチが何処にあったのかわからないのが、気になりますがね。